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ウワノキカクのキカクメモ

Uwano Takao 広告会社でのストラテジックプランナーの経験を経て、2016年夏に独立。より人の心を動かし、多くの人に届くマーケティングコンセプトの企画と事業のコンサルティングを行う「ウワノキカク」にて事業を展開する傍ら、教育関係者の支援事業を行う非営利型一般社団法人コアプラスの理事を務める。人を想い、社会のための情熱で行動する人の思いを「マーケティングコンセプト」として形にし、必要とする人に届け、また、事業者は社会や人に貢献しながら生きていける生活を成り立たせることに伴走する。

対話と可視化の可能性

先日、一般社団法人アプラス×森分志学さんの主催で、「Education Road」の第2回を実施しました。
https://www.facebook.com/events/154767148362216/
 
この対話イベントは、「教育」をテーマに働きたいと考えている若者を対象に、「学校の先生以外にも『教育』に携わる道(=Education Road)はあるんだぞ!」ということをリアルに知ってもらうことを趣旨としています。
 
「教育に関わる=学校の先生」という思い込みを実感のレベルで打破することを目指しています。
 
 
 
イベントのしつらえとしては
 
① 3名のゲストのパネルトーク
② ゲスト・参加者でのグループトーク
 
という構成でやっていて、今回のゲストは某私立高校の先生と、学生が海外でPBLを通じて学ぶ場を提供している経営者と上野が前に立ちました。
 
教育者としても人間としても本当に魅力的なお2人で、非常に充実した場になりました。
 
この場を使って改めて感謝申し上げます。
 
 
 
実際に場を開いてみて、この機会で改めて「対話と可視化の可能性」を感じました。
 
僕は対話というのは考えることを促すための強烈な手法だと思っているのですが、「考える」とは言い換えれば「自問自答する」ということだと考えています。
 
自分で問いを持ち、自分で答えを出す。
 
その上で最も重要なのは、「いかに良質な問いに出会うか」だと思っています。
 
良質な問いとは、他人から与えられるのではなく、自分の内側から湧き上がってくる、自分にとってリアリティのある問いのこと。
 
例えば、「教育には~が重要だ」「子どもの成長には~が必要だ」と誰かが言っているのを鵜呑みにした問いではなく、
 
「あー、確かにそれはマズイな!」とか
 
「それは絶対に当時の自分だったら嫌だ!」とか
 
自分の感情や過去の体験と強く結びつく、自分にとってそのシーンが臨場感をもって立ち現れる様な問いのことをいいます。
 
もし、そうした問いに出会わないと、その場では話が盛り上がっても実際にその後の行動に繋がらなかったりもしますし、安直な答えに満足して深く考えないということが起こってしまいます。
 
本当に重要な答えに出会うためには、「いかにリアルな問いに出会うか」が重要だと思っていて、その探究のためにこのイベントを試行錯誤してやっています。
 
 
 
ちなみに、今回のイベントではどういった仕掛けを意識していたかというと…
 
 
1つめは、「目の前に、問いを生み出す具体的な人が存在している」ということを意識しています。
 
今回は3名のゲストをお招きして、それぞれが人生で体験してきたことを伺いながら
 
「なぜこの人はこんなことをしているのだろう?」
 
「どうしてそういう風に考えるのだろう?」
 
といったことを考えていたのですが、ゲストが目の前にいることで、そうした問いが避けられない強さをもったものとして立ち現れます。
 
更には、他の参加者の方の話を聞くことを通じて、
 
「なぜこの人はそこにこだわるのだろう?」
 
「本当にそれは教育においていいことなのだろうか?」
 
といった問いが、人の存在と相まって強烈に自分に働きかけてきます(それが快適な問いでないこともしばしばあります)。
 
人の存在という大きな力と、対話の中で生まれてくる問いとをいかに紐付けるかということにチャレンジしています。
  
  
 
2つめとして、今回はさよちゃんにお願いして、対話の場をリアリタイムに可視化するグラフィックレコードの取り組みをしました。
 
対話の内容が可視化されることで、過去の話が時間を超えて絵として残り、よりリアルな問いが生まれることを狙っています。
 
というのも、人は、自分たちが話したことであっても、その時に自分が重要だと思わなければどんどん人は忘れていきますし、メモを取ったとしても時間がたつと意味がわからなくなっていたりします。
 
流れやすく、移ろいやすい人の関心や記憶に対して、1つの違った視点をいれて記録し、絵として可視化することで、ただの文字情報以上のものを伝えてくれる。
 
それが、知識の盲点になっている要素や違った捉え方をしている箇所に気づくことを促し、更なる自分の問いが、強さをもって自分の中に生まれくる、ということをいかに生み出せるだろうかと考えていました。
 
 
 
そして、3つめ、大前提として、自分の価値観や認識のフレームを揺さぶる種類の問いをいかに生み出すかということを考えていました。
 
特にこのイベントでは、ゲストの現在の立場や過去の体験といったわかりやすいレベルで異なるタイプの人をお招きすることに命をかけています。
 
もちろん、その人自身の魅力もあるのですが、全く違う経験をしながら地に足の着いた対話が生まれるようにするには、どのように企画し当日振る舞うべきかは結構神経を使います。
 
「どういうテーマを投げかければこの人の独自性が姿を表わすだろうか」
 
「今日の参加者にとって最も感情を揺さぶる問いは何だろうか」
 
というようなことを、リアルタイムで判断しながら探り探り話を作っていくのが、とても楽しく、難しい。
 
いかに、その場の価値観や認識のフレームを捉えて活用できるかに神経を集中していました。
 
 
 
こうした3つの仕掛け(心がけ?)を懐にたずさえ、「Education Road」では対話の場づくりを行いました。
 
狙いはあくまで「教育に関わる=学校の先生」という思い込みを実感のレベルで打破するということだったと思うと、今回に限って言えば、成功したところとそうでないところがすべての仕掛けに関してあったなあと思っています。
 
1つめの「人の存在」は、立ち現れる問いと人の存在をいかに認知のレベルで紐付けるかは、短い時間ではラベリングやストーリーテリングをもっと精緻にやる必要があるという反省があります。
 
過去の体験や現在の役割を紹介することはもちろんですが、①ゲストトークで立ち現れた個性や価値観をその場で言語化してラベリングして場に共有することがもっとできたのではないかと思っています。
 
逆に、②のグループトークで距離が近い所、息遣いが感じられる距離で話すことはやっぱりパワーがあるなと感じたので、今後も山場として機能させられるように継続していきたいです。
 
 
 
2つめの「グラフィックレコード」に関しては、いかに対話の中で活用していくかがとても大切だということを改めて感じました。
 
もちろん、存在しているだけで人はちらちら見ているし、それに基づいて問いを持っているけれど、より活用するためには、参加者全体の立脚点としてのレコードがあるということを共通認識にしておく必要がありました。
 
いやらしくない、強制的でないカタチでこの共通認識をつくることができれば更に促進するフィールドになってくれそうなので、ファシリテーターの振る舞いとの連携など、具体的な活用方法を研究しなければなりません。
 
 
 
3つめの「価値観やフレームレベルでのゆさぶり」に関しては、そもそもその人のもっている認識がどうかということと強く相関しているものの、ゲストの話の仕方によってかなり広範な人にアプローチできることがわかってきました。
 
以前は「結局は参加者の人の内側に触れてみないとわからない」「現場判断でファシるしかない」「ゲストトークはあくまで刺激」と考えていましたが、今回やってみて「ゲストの価値観が振れた瞬間を見せること」と「そのゲストがそれでもなお抱いている問い(と前提)」の両方を見せることで、立場や価値観が多様な人が反応していることが感じられました。
 
人が自分の価値観やフレームに出会うための機会を、いかに短い時間で生み出せるか、これは学生の頃からこだわってきましたが、今後も引き続き考え続けるテーマだなあと思っています。
 
イベント1つに関しても、主催する側にもいろいろな気付きや学びがあって、その経験と反省の上にどんどん新しい場をつくり続けていきたいと思っています。
 
 
 
目指すのは、物理的にも心理的にも強制のない自由な社会をつくること。
 
そのために、「どうすれば、人が内発的なエネルギーで動きながらも社会に良い循環が生まれ続けるか」という課題に向き合っています。
 
他者からの強制が働き、それに従属しなればならないのは、それが一時的にでも合理性や効率の良さをもっているから。
 
では、強制がない方が社会全体としても組織としても個人としても合理的であるということが共有されるには、どうしたらよいのだろうか。
 
「楽しかったし、それでいいじゃん!」
 
みたいな立場も勿論ありますし、「楽しさ」という感情が生まれているときには「驚き」が生じているので、変化を生み出す本質は捉えていると思うものの、やっぱり自分は、社会にアプローチする機会も限られているのだから、一回一回に細かな狙いとこだわりをもってやっていきたいです。
 
長々と書いていますが、いろいろな学問領域・研究領域の知見と人間的な経験をベースに、いかに人や社会に狙った変化を生み出していくことはこれからも続けて行きますので、一緒にやってくれるかた、ぜひこれからもよろしくお願い致します。
 
コンサルティングコーチングもファシリテーションもプランニングも、人に働きかけるのも組織に働きかけるのも社会に働きかけるのも、全てに通ずる本質があると信じて。
 
そしてその本質を使いこなすことを目指して、これからも試行錯誤を繰り返していきます。

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