ウワノキカクのキカクメモ

Uwano Takao 広告会社でのストラテジックプランナーの経験を経て、2016年夏に独立。より人の心を動かし、多くの人に届くマーケティングコンセプトの企画と事業のコンサルティングを行う「ウワノキカク」にて事業を展開しています。傍ら、教育関係者の支援事業を行う一般社団法人コアプラスの理事を務める。人を想い、社会のための情熱で行動する人の思いを、事業として継続的に成り立つカタチに変えていくことをお手伝いしています。

課題設定のポイント①:分析と再構築

「戦略的に思考する」ということの最も重要なポイントは、課題設定のフェーズにおいて課題の分析と再構築を行うことです。

 

戦略的な思考から最も遠いのは、目の前に生じている問題をそのまま解決すべき課題として設定してしまうことです。

「売上が上がらない」「集客にいつも苦労する」「労働時間が長くなり、スタッフの満足度が低い」など。

現時点で知覚できている問題は、あくまでも「現象」であり、解決すべき「課題」とは全くの別物です。

現象には、必ずそれが生じる理由があります。

現象それ自体を解消したところで、原因になってい部分が依然として残っているのであれば、時間をおいて同じ問題が生じてしまうおそれがあります。

それでは、短期的には問題が解消したように思えますが、本当の意味で問題を解決したことにはなりません。

 

ありがちな非戦略的な課題設定としては、「大きなもの・抽象度の高いものを課題に設定してしまう」「思い込みで1つの種類の課題だけに取り組み、重要な課題を捨象してしまう」などがあります。

 

 

<課題設定:課題の分析と再構築>

f:id:amsoat:20160622095747p:plain

 

一方、戦略的な思考は、問題の本質的な解決に向けて、その根本的な原因・理由の部分にアプローチする考え方です。

 

まず、第1段階の作業として、目下感じている問題意識について、一度客観的な視点からの整理・分析を試みます。

 

問題意識の中には

 

 ✓ 抽象度の高いもの(例:「収益が足りない」)と具体性の高いもの(例:毎月月末は人手が足りずに5万円程度売り損なっている)

 ✓ 系統の同じものと違うもの(例:売上関係/教育関係/財務関係)

 

などが混在していると思います。

こうした粒度の異なる問題を可能な限り客観的に理解しやすい形で整理します。

 

次に、整理・分析した問題を本質的に意味のある有機的な形に再構成します。

この時のポイントは、問題の分析の際に抽象度を上げる「Why」の問いと具体性を高める「What」の問いを繰り返すことを通じて、因果関係のストーリーを複数検討することです。

同じ問題群を見ても、そこから導き出す本質的な課題のストーリーは、分析者によって異なります。

最も納得感があり、行動・解決しやすいストーリーを選択することが重要です。

 

そしてもちろん、その際には、当初認知していなかった新しい問題も多く見えているはずですし、それらに比べて当初感じていた問題意識が陳腐なもの、取るに足らないものであると思われることも多々あると思います。

しかし、それこそが深い思考によってより本質的な認識が得られたことの証です。

当初の仮説的な問題設定にとらわれずに、思考を深めることでより真に迫った課題を選びぬくことが、戦略思考の骨子です。

 

 

今回は模式的に課題設定の基本的なポイントを整理しましたが、以降ではその具体的な分析・再構築の方法論について検討していきます。