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ウワノキカクのキカクメモ

Uwano Takao 広告会社でのストラテジックプランナーの経験を経て、2016年夏に独立。より人の心を動かし、多くの人に届くマーケティングコンセプトの企画と事業のコンサルティングを行う「ウワノキカク」にて事業を展開しています。傍ら、教育関係者の支援事業を行う一般社団法人コアプラスの理事を務める。人を想い、社会のための情熱で行動する人の思いを、事業として継続的に成り立つカタチに変えていくことをお手伝いしています。

「社会起業家」と「会社員」の生き方の狭間で

社会のために、人のために、情熱を持って取り組んでいることがある人。
日本の未来のことを真剣に考えて、あれこれ活動に勤しんでいる人。
そんな素敵な人が僕の周りにはたくさんいるのですが、その取り組みだけに没頭できる環境を作るのは本当に難しいです。
 
特に課題になるのが、例えば、お金の問題。
いかに稼いで自分の生活を作っていくのか。
 
僕もそうですが、いわゆるこうした「社会起業家とその周辺」な人たちって、「たくさんのお金があれば幸せ」というわけではなく、人とのつながりの中で自己充足感を持って生きていくこと、そして自分が頑張ることで周りの人にもそうした充足感を持っていただくことに一番強い幸せを感じる人が多いです。
マズローの整理で言うと、自己実現欲求や承認欲求と言われる層の欲求です(とはいえ、多くのお金があったらそれはそれで嬉しいのですが。笑)。
 
しかしやはり、それよりも下位のレイヤーである生理的欲求・安全欲求はクリアしなければならない大前提の欲求です。
いかに「生活に足る収入」を確保していくのか。
それはパートやアルバイトと事業の掛け持ちでも良いのかもしれませんが、理想を言えば、本気で仲間と取り組んでいる事業だけで生きていければ、それ以上の幸せはない。
ただ、それは容易なことではありません。
 
一方、少し視点を変えると、そうした社会貢献意欲の高い人がそうした取り組みを事業として拡大し、持続可能性を高めていくことができなければ、社会としても損失になってしまうという思いもあります。
もしかしたら、本来は行政が手を付けるべき領域かもしれませんが、カバーしきれずこぼれ落ちている根の深いニーズはたくさんある。
そうした課題にアプローチしている方々の裾野が広がらなければ、課題を面として社会全体で解消していくことができない。
「ローカル&スモール」でいつづけることは、そこで生きる人の暮らしにとっても社会にとっても、なんとかしなければならない問題だと思っています。
 
ここ数ヶ月、いろいろな方の取り組みをみて・きいて思うのは、「通常の企業経営よりも難しいことに取り組んでいるのに、経営やマーケティングを得意としない人が運営している」というスキーム自体が解決しなければならない課題ではないかということです。
だから、そこに「社会起業家の呼吸のわかる、事業経営の専門家」が必要なのではないか。
そんなことを考え始めました。
 
経営の専門家が取り組んでも失敗することが多い世界でも、社会起業・ソーシャルビジネスの人が生きていけるのは、その理念や取り組みに共感する多くの方の支援を受け、人のつながりの中で自分の暮らしを営めているから。
そうした暮らしは多くの会社員の方とは少し異なる生き方で、「コミュニティの中で企業と暮らしを成り立たせる」ということは、自分がいま企業で働いていても、それしか知らない人からすると実感はおろか想像も難しい世界なのではないかと思い始めました。
 
これらの「同じ社会に存在する、原理が異なる2つの生き方」をどのように昇華させていくのか。
企業人5年目、NPOの取り組みは8年目の自分の中では、明確に自分が取り組むべき課題だと思えるようになってきました。
企業で学んだ「事業の進め方」。
これは、もっと社会起業家とその周辺の方にも知ってもらう価値がある。
一方で、「人と人とのつながりの中で生きる」ということは、企業の枠の中で生き続けることに違和感や呼吸の苦しさを感じる人には、一部取り入れてほしい。
どちらの生き方が優れているのかという二元論ではなく、これらは部分的に取り入れることが可能な相互補完的な要素だと思っています。
 
そうした問題意識と仮説を起点に、これから自分がどうやって生きていくのか。
27歳にもなりましたので、真剣に向き合って生きていかねばならないなと思っています。